『良いこと悪いこと』10.5話では、すべての真相が明らかになった事件から数日後の世界が描かれる。
真犯人は東雲と今國。
失われた時間や心の傷が簡単に癒えるわけではない。
物語は、キングたちが小学校5年生の春休み前を迎えていた過去の記憶と、現在を生きる大人たちの姿を行き来しながら静かに進んでいく。
そこにあるのは新たな事件ではなく、それぞれが抱え続ける痛みや葛藤、そして前へ進もうとする小さな選択だ。
10.5話は、事件後の「その先」を描く後日談として、視聴者に改めて問いを投げかけています。
良いこと悪いことネタバレあらすじ10.5話
すべての真相が明らかになってから数日――。
事件は終わりを迎えたが、失われたものがなかったことになるわけではない。
高木将や園子たちは、頭では理解しながらも気持ちが追いつかず、それぞれがもがく日々を過ごしていた。
物語は、キングたちが小学校5年生の春休み前を迎える鷹里小から始まる。
掃除をするキングとカンタロー、貧ちゃんとトヨが他愛ない会話を交わし、そこへニコちゃんとゆっきーが仲良し帳を配って回る。
そんな中、ターボーが「転校生が来る」と“ビッグニュース”を持ち込み、現れたのは猿橋園子だった。
転校生が男子ならよかったと嘆きつつも、北中の存在を気にしながらゲーセンへ向かって駆け出す――子どもたちの日常には、すでに不穏の影が差していた。
そして現在。
キングは妻・加奈とともに鷹里小を訪れ、花音のいじめについて教師から説明を受ける。
家では明るく振る舞う花音だが、無理をしている様子が森に伝えられる。
花音は宿題の「将来の夢」の絵を前に悩み続ける。
一方、園子は新たにエッセイを書き始め、いじめをなくすため取材を重ねていた。
キングはかつて園子を閉じ込めた倉庫のペンキを涙ぐみながら塗り直し、花音はついに夢の絵を描き出していく。
良いこと悪いこと10.5話|掲示板の書き込みの回収
10.5話で描かれた掲示板の書き込みは、事件の真相に直結する重要な情報ではない。
掲示板には「いち100やばかった」といった、当時の子どもたちによるたわいもない会話が並んでいた。
「いち100」とは漫画『いちご100%』のことで、キングたちが小学校5年生の頃に普通に盛り上がっていた話題だ。
また「北中に絡まれた」という書き込みも描かれるが、これも事件の発端や犯行を示すものではない。
この掲示板は真犯人につながる手がかりというより、当時すでに“ドの子”を中心としたいじめが日常の中で行われていたことを示す場だったといえる。
良いこと悪いこと10.5話|花音のいじめはなくなったのか?
『良いこと悪いこと』10話で、東雲が掲載したキングのいじめ告発記事により、過去の出来事は一気に世間へと広まった。
その影響は娘の花音にも及び、学校ではノートへの落書きや悪口、冷やかしが見られるようになり、ついには倉庫に閉じ込められる出来事まで起きてしまう。
ただ、その場面で花音を助けたのは、以前ケンカをして仲直りした男の子だったと考えられる。
10.5話では、いじめをしていた過去を公表したキングのその後も描かれる。
キングと妻の加奈は鷹里小を訪れ、担任の森先生と面談。
森は目立った悪口は見られなくなったとしつつも、目の届かない部分があることを正直に語り、学校としてできる限り対応していく姿勢を示す。
花音のいじめが完全になくなったとは言えないが、周囲の関わり方を見る限り、状況は少しずつ変わり始めている。
10.5話は、いじめの「終わり」ではなく、減っていく過程とその難しさを静かに描いていた。
良いこと悪いこと10.5話|園子が記者になった理由は東雲と同じ?
10.5話では、園子が新たにエッセイを書き始める姿を通して、彼女が記者という道を選んだ理由が静かに描かれている。
園子が語った「理由は東雲と同じ」という言葉は、単なる模倣ではない。東雲と園子は、ともにいじめられる側だったという共通の過去を持っている。
東雲は、いじめをなくしたいという強い思いを抱えながらも、そのやり方を誤ってしまった。
一方の園子は、同じ傷を抱えながらも、怒りや復讐ではなく、同じことが繰り返されないよう「伝え続ける」道を選んだ。
園子は東雲の思いそのものには共感しつつも、同じ過ちを繰り返さないため、自分と向き合いながら記者として言葉を選び続けている。
10.5話は、園子が東雲の思いを受け止め、別の形で未来につなごうとする決意を描いた一編だった。
良いこと悪いこと10.5話|松井健に新たな彼女⁉ 宣言の真相とは
アポロの新入社員・松井健は、これまで園子への距離感の近さから違和感を持たれ、パネルを壊したり唇に触れるような仕草から犯人説まで浮上していた人物だ。
しかし物語が進むにつれ、その行動は歪んだ執着というより、純粋な好意だったのではないかと感じられるようになっていった。
そんな松井が10.5話で「彼女ができました」と突然報告し、視聴者を驚かせる。
10話で松井が園子に話しかけていた際、画面に映らなかった「早く行くよ」という声は、その彼女だった可能性も考えられるだろう。
松井は物語の中で少しずつ変化し、距離の取り方を学んでいったように見える。
この彼女宣言は、松井自身が前に進んだ証であり、同時に園子にとってもどこか安心できる出来事だったのではないだろうか。
良いこと悪いこと10.5話|それぞれの道
10.5話のラストで描かれていたのは、事件の解決そのものではなく、その後を生きる人々の姿だった。
キングは、かつて園子を閉じ込めてしまった倉庫のペンキを涙ぐみながら塗り直す。
それは過去を消す行為ではなく、向き合い続けるための行動のようにも見える。
一方、花音は長く悩んでいた「将来の夢」の絵を描き始める。答えが出たというよりも、考えることをやめなかった結果としての一歩だった。
園子は記者として取材を続け、松井は新たな恋へと進む。
それぞれが選んだ道は同じではないが、誰も立ち止まったままではいない。
10.5話は、過去の出来事に区切りをつける回ではなく「それでも日々は続いていく」という現実を静かに描いた後日談だった。
良いことと悪いことは簡単に分けられないまま、それぞれが自分の選択を抱えて歩き出している。
良いこと悪いこと10.5話|まとめ
『良いこと悪いこと』10.5話は、事件の答え合わせをする回ではなく、すべてが明らかになった後の「その先」を描いた後日談だった。
掲示板の書き込み、花音のいじめ、園子と東雲の思想、松井の変化――どれも決着がついたとは言い切れないが、確かに少しずつ前へ進んでいる姿が描かれている。
過去は消えず、傷も簡単には癒えない。
それでも人は選択を重ね、大人になり、それぞれの道を歩いていく。
10.5話は、「良いこと」と「悪いこと」を単純に分けられない現実の中で、それでも生きていく人間の姿を静かに映し出した一話だった。
良いこと悪いこと考察全話はこちら
『良いこと悪いこと』は、子ども時代の小さな出来事が、大人になってからも静かに影を落としていく物語です。
各話ごとに描かれる出来事は独立しているようでいて、すべてが積み重なり、登場人物たちの選択へとつながっていきます。
これまでのエピソードを振り返りながら読みたい方は、全話のネタバレ・考察もあわせてご覧ください。
👉良いこと悪いこと考察最新全話|タイムカプセルから卒アル⁉真相
【アラカンサヲリのひとこと】
『良いこと悪いこと』10.5話で描かれた、それぞれの思い。
なかでも強く印象に残ったのは、ラストでキングが涙をためながら、鷹里小の倉庫――かつて“ドの子”を閉じ込めてしまった場所を見つめる姿でした。
逃げずに、過去と向き合おうとしていることが伝わってきて、思わず胸が熱くなりました。
その一方で、真逆の温度感だったのが松井健の突然の「彼女います」宣言。
思わずクスッと笑ってしまいましたが、あれも彼なりのけじめだったのかもしれません。
これで『良いこと悪いこと』が終わってしまうのは、正直少し寂しいです。
いじめという重いテーマはさておき、犯人は誰なのか、伏線はどこにあるのか――考察に没頭しながら、最後まで楽しませてもらったドラマでした。
オープニング演出や夢の動画、公式サイトの掲示板など、視聴者参加型の仕掛けも印象的だったと思います。
最後まで読んでくださった皆さまに、心から感謝いたします。ありがとうございました。

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