スタート1分で犠牲者が出るという衝撃の幕開け。
『良いこと悪いこと』(日本テレビ系/2025年10月11日放送)は、再会と罪が交錯するサスペンスとして、初回から強烈な印象を残しました。
同窓会のはずが、ひとりの転落死をきっかけに、止まっていた時間が再び動き出す。
私自身、この作品を心待ちにしていましたが、まさか冒頭からここまで緊張感を与えられるとは思いませんでした。
タイムカプセルを掘り起こしたクラスメートたち。
そこに描かれていたのは「夢」のはずが、見つかった卒アルには6人の顔が黒く塗りつぶされていた――。
転落した男、記者となった猿橋園子(新木優子)、沈黙する委員長・小林、そして“悪い子”という言葉。
それぞれが意味ありげに絡み合い、何か大きな真実へと向かっているようでした。
「良いこと」と「悪いこと」は、人によって線引きが違う。
過去に犯した罪を“なかったこと”にして生きる人もいれば、許せないまま大人になった人もいる。
そんな人間の“都合の良さ”をえぐり出すように、この物語は静かに私たちの心を揺さぶります。
今回は第1話のあらすじを振り返りながら、“黒幕は誰なのか”という視点で伏線や心理を徹底考察していきます。
良いこと悪いこと1話あらすじ|“夢”が呼び起こす過去の罪
ドラマ『良いこと悪いこと』第1話は、静かな空気の中で幕を開けた。
マンションから転落する男・武田敏生(水川かたまり)の姿が映し出され、物語は衝撃のスタートを切る。
場面は変わり、小学校時代のタイムカプセルを掘り起こすため、かつてのクラスメートたちが集まる。
6年1組の仲間たちは久しぶりの再会に笑顔を見せるが、卒業アルバムを開いた瞬間、空気が一変する。
6人の顔が黒く塗りつぶされていたのだ。その中には“キング”と呼ばれた高木将(間宮祥太朗)、桜井幹太(工藤阿須加)、そして転落した武田の姿もあった。
彼らが共に過ごした過去に、何があったのか——。
一方で、クラスで孤立していた少女・猿橋園子(新木優子)が、美人記者として会場に現れる。彼女は6人を見つめながら、胸の奥にしまい込んだ記憶と向き合っていた。
やがて、かつてのいじめの記憶、そして“黒塗りの意味”が少しずつ明らかになっていく。
武田の転落、桜井の店の火災——次々と起こる出来事の裏には、過去を断ち切れずにいる人々の影があった。
良いことと悪いことの境界が揺らぐ中、登場人物たちはそれぞれの罪と向き合い始める。静かに、そして確実に運命が動き出したことを感じさせる第1話だった。
良いこと悪いこと1話考察|転落した武田の“夢”は偶然か?第1話に隠された最初の伏線
武田敏生(水川かたまり)が転落したのは、ただの事故ではなかった。
帰宅鍵を探していたところ、もみ合い転落。
誰かが“彼の夢”をなぞるようにその場を演出していた。
武田は「空を飛ぶ自分の絵」を描いていた。
もし犯行がその夢に合わせて仕組まれていたのだとしたら――それは偶然ではなく、明確なメッセージです。
被害者の“夢”を再現するかのような死。
そこに意図的な構成を感じるなら、この事件は単独では終わらない。
同窓会で掘り起こされた「夢の絵」、そして卒アルで黒く塗られた6人。
これらの要素が静かに結びつき、過去のいじめと現在の連鎖を浮かび上がらせます。
捜査的に見れば、落ちたであろうという場所の擦過痕や靴底の跡が鍵となるでしょう。
けれど物語的に重要なのは、“誰が”ではなく“なぜ”武田の夢を利用したのか。
記者・猿橋園子(新木優子)は「夢=個人史」を読み解く視点を持ち、この事件を“偶然の死”から“計画的犯行”の段階へと引き上げる役を担う。
彼女が過去と現在をつなぐことで、善と悪、加害と被害の境界線が再配置されていく。
武田の転落は、ただの悲劇ではなく、物語全体を動かす“最初の伏線”として意味を持ちはじめた。
そしてこの転落が、次に誰が“夢”を叶えさせられるのか――その不気味な予感を残して幕を閉じる。
良いこと悪いこと1話考察|黒塗りの卒アルが暴く、6人の罪と沈黙
第1話で最も印象的だったのは、やはり卒業アルバムの“黒塗り”の場面だろう。
笑顔が並ぶはずのページで、6人の顔だけが黒く塗りつぶされていた。
あの異様な光景は、単なる悪戯ではなく、過去に起きた“いじめ”の記憶を強く示唆している。
高木将(間宮祥太朗)、桜井幹太(工藤阿須加)、武田敏生(水川かたまり)ら6人は、かつて教室の中で一人の少女──猿橋園子(新木優子)を排除していた。
明るく振る舞う彼らの笑顔の裏にあったのは、沈黙という名の暴力。
“悪い子”と呼ばれた猿橋を閉じ込めた過去は、誰の心にも“消えない黒”として残っているのかもしれない。
塗りつぶされた顔は罪の象徴であり、同時に“見たくない自分”への警告でもある。
誰が、いつ、何のために塗ったのか──その答えはまだ明かされていない。
だが、黒塗りのページは、6人の沈黙を破る“告発”のようにも見える。
しかも、黒く塗られた6人に次々と起こる不幸は、まるで報いのように連鎖していく。
あのアルバムは単なる記録ではなく、罪を刻む帳簿。
“誰かの手”が塗ったのか、“良心の影”が形を取ったのか――そのどちらにせよ、
善と悪の境界を曖昧にしながら、このドラマは人の心の奥底に潜む闇を静かに照らしている。
良いこと悪いこと1話考察|“悪い子”はまだいる──黒幕は沈黙の中に潜んでいる?
第1話ではまだ黒幕の正体は明らかになっていません。
ただ、登場人物たちの表情や行動を見ていると「ん?」と違和感を覚える場面がいくつかありました。
ここでは、私が特に気になった人物を挙げてみました。
大谷典代|掘り起こしに参加しなかった“沈黙の教師”
現在は校長となった大谷典代(赤間麻里子)。
定年を控えながら、タイムカプセルの掘り起こしに同席しなかったことが気になる。
「先生抜きでやった方がいい」と笑った瞬間の微妙な表情。
彼女は“知らないふりをしている側”なのかもしれない。
長年学校を見守ってきた者として、過去の真実を誰よりも知っている可能性がある。
小林紗季|冷静な委員長の裏に隠れた感情
委員長の小林紗季(藤間爽子)は、リーダーシップがあり理性的な人物。
だが居酒屋の喫煙シーンで見せた一瞬の沈黙が印象的だった。
高木の結婚指輪を見つめる視線には、過去への未練や複雑な感情が見え隠れする。
“政治家を夢見た”彼女が理性を崩す時、事件の構図は一気に変わるかもしれない。
中島笑美(にこ)|倉庫の一言と“不参加”の違和感
倉庫事件の記憶を語る中で「この声、転校生の猿橋じゃない?ほら、にこの…」と発したのは中島笑美(松井玲奈)。
途切れたその言葉が、今も耳に残る。
しかも彼女はタイムカプセル掘り起こしの場に姿を見せなかった。
偶然か、それとも意図的な距離か。
表には出てこない彼女こそ、“静かな観察者”として事件を動かしている可能性がある。
まとめ|絵が導く真相はまだ始まりにすぎない——次なる犠牲者は?
第1話で最も印象的だったのは、「夢の絵」が現実の事件と重なっていくという、どこか不気味な流れだった。
武田の“空を飛ぶ絵”は転落死へ、桜井の“消防車の絵”は火災へとつながる。
偶然にしては出来すぎていて、まるで誰かがその絵を使い、過去の罪を裁いているかのようだった。
いじめを受けていた猿橋園子(新木優子)は、被害者でありながら、その出来事を冷静に見つめ、どこか客観的に行動しているようにも見える。
記者として真実を追っているのか、それとも心の奥に眠る怒りを押し殺しているのか──彼女の視線には静かな炎が宿っていた。
一方で、当時“キング”と呼ばれた高木(間宮祥太朗)は、過去に目を背けようとすればするほど、不安と罪悪感に押し潰されていく。
黒く塗りつぶされた卒アル、そして“悪い子”という言葉。
あの時の記憶が、まるで時を超えて6人の運命を絡め取っているように感じられた。
“絵”は夢ではなく、“呪い”に変わってしまった。
誰かがその絵を使って罰を与えているのだとしたら、次に狙われるのは一体誰なのか。
物語はまだ始まったばかり。
静かに忍び寄る影が、次回、さらなる悲劇を呼び起こす予感を残している。
誰かが過去を忘れたまま進もうとしている一方で、誰かは忘れられないまま止まっている。
再び交わるその瞬間に、真の“悪い子”が姿を現すのかもしれない。
アラカンサヲリのひとこと
この第1話でタイトル通り「良いこと悪いこと」を問うような内容でした。
子どもの頃、法には触れずとも誰かを傷つけた“悪いこと”を、私たちは大人になってどこかに置き去りにして生きている。
まるで何事もなかったかのように。
けれど、心の奥ではきっと誰もが知っているんですよね。
善と悪の境界は、法律じゃなく“心”の中にあるということを。
だからこそ、このドラマが描こうとしているのは“罪”ではなく“人間”そのもの。猿橋園子の静かな怒りは、もしかすると社会全体に向けられた鏡なのかもしれません。
最後まで読んでくれてありがとうございました<(_ _)>
第1話から最終回まで、登場人物たちの“夢”と“罪”がどのように交差していくのか――1話ごとに深まる謎と人間模様を丁寧に追っています。
過去と現在がつながる瞬間、誰が本当の“悪い子”なのか。
ぜひ全話の考察とともにご覧ください。
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