NHK連続テレビ小説第113作目『ばけばけ』がいよいよスタート。
明治の西洋化が急速に進む日本を舞台に、松江の没落士族の娘・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに描かれるオリジナル作品で、幽霊よりもこの世をうらめしく思うヒロイン・松野トキが、異国人教師との出会いをきっかけに少しずつ心を通わせ、うらめしかった世界がかけがえのないものに“化けて”いく過程を描いていきます。
怪談好きな二人がへんてこな人々に囲まれて夜な夜な語り合う暮らしという設定は、これまでの朝ドラにはないユニークさで、私も公式情報を見たときからどんな展開になるのかワクワクしていますし、皆さんも「どんな物語になるんだろう」と気になっているのではないでしょうか。
脚本は日常に潜む不条理や小さな笑いを巧みに描くふじきみつ彦さんが担当し、プロデューサーの橋爪國臣さんも「取り残された人々の声に光を当てたい」とコメントしています。
時代の波に翻弄されながらも、違う価値観を持つ者同士が互いを尊重して生き抜いていく姿は、現代に生きる私たちにも響くテーマです。
この記事では『ばけばけ』の基本情報やキャスト、モデルとなった小泉セツとハーンのエピソード、そして放送後に更新していく各週のあらすじ・感想・考察をまとめていきますので、初回から最終回までの流れを一緒に追いかけられるよう、ぜひブックマークしてチェックしてみてくださいね。
朝ドラ『ばけばけ』ってどんな作品?まずは基本情報から
NHK連続テレビ小説第113作『ばけばけ』は、2025年9月29日(月)から放送が始まる朝ドラです。
明治時代の松江を出発点に、熊本など各地へ舞台を移しながら、急速に西洋化が進む中で取り残されていく人々の日々を描くオリジナル作品で、実在の小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルにしつつ、登場人物名や団体名を一部改称して再構成しています。
ヒロインの松野トキ(モデル:小泉セツ)を演じるのは若手女優の髙石あかりさん、外国人教師レフカダ・ヘブン(モデル:ラフカディオ・ハーン)はトミー・バストウさん。
異文化を背負った二人のキャラクターに実力派俳優がどう息を吹き込むのか注目されています。
脚本は日常に潜む不条理や小さな笑いを描くふじきみつ彦さんが担当し、制作統括は橋爪國臣さん。
放送時間は平日・土曜の午前8時(再放送12時45分)で、NHK総合とBS4Kにて同時放送、全125回(予定)の長編シリーズです。
主題歌はハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」音楽は牛尾憲輔さんが手がけます。
タイトルに込められた「化ける」というテーマは、激変する時代や人々の価値観が形を変えていくこと、そしてトキ自身の世界がうらめしさからかけがえのないものに変わっていく過程を象徴しており、従来の朝ドラとはひと味違う視点で日常を描く意欲作として期待が高まっています。
ばけばけ|モデルは小泉セツと小泉八雲!実在夫婦から生まれた物語
朝ドラ『ばけばけ』の魅力は、モデルとなった実在夫婦。
ヒロイン・松野トキのモデルは島根県松江に生まれた小泉セツ(1868〜1932)
没落した士族の家に生まれ、幼くして養女となり、11歳から織子として働いて家計を支え、結婚後1年で夫に去られるという波乱の半生を歩みました。
その後、松江に英語教師として赴任してきたラフカディオ・ハーンの家に住み込みで働き、当時は珍しかった国際結婚を実現。彼の著作に大きな影響を与えた再話文学の語り手としても知られています。
一方、ラフカディオ・ハーン(1850〜1904)はギリシャ生まれのアイルランド人で、アメリカでジャーナリストとなったのち1890年に来日。
松江で英語教師として働きながら日本文化に魅せられ、後に日本に帰化し小泉八雲を名乗りました。
『知られぬ日本の面影』や『怪談』など、日本文化を世界に伝える著作は今も評価されています。
『ばけばけ』では、この二人をモデルにしたヒロイン松野トキを髙石あかりさん、外国人教師レフカダ・ヘブンをトミー・バストウさんが演じます。
文化や言語の壁に悩みながらも、怪談好きという共通点で心を通わせる二人の姿は、激変する明治の日本を背景に、人が人を受け入れる難しさと温かさを描いていくはずです。
史実をなぞるだけでなく再構成されたフィクションだからこそ、実在の夫婦が持っていた強さや柔らかさがどう表現されるのか、期待が高まります。
ばけばけ|明治の松江が舞台!あらすじと見どころをチェック
明治時代の松江を舞台に始まる『ばけばけ』は、近代化の波に翻弄される人々の日常と小さな希望を描く異色の朝ドラです。
主人公・松野トキは、幽霊よりもこの世をうらめしく思う没落士族の娘。
父が事業に失敗し貧しい暮らしを強いられる中、時代に取り残された人々に囲まれて育ち、生きにくい世の中を「うらめしい」と感じながらも日々を送っています。
そんなトキに舞い込んできたのが、松江に赴任した外国人英語教師の家で住み込み女中として働く仕事。当時は外国人が珍しく、世間の偏見や文化の違いにも悩まされますが、彼と境遇が似ていることに気づき、やがて怪談好きという共通点で心を通わせていきます。
ふたりが夜な夜な語り合う“へんてこな暮らし”は、激動の時代に異文化や価値観の壁を超えて相手を理解しようとする小さな挑戦の連続です。
『ばけばけ』の見どころは、史実をベースにしながらも大胆に再構成したフィクションとして、普通の人々の光でも影でもない日常に光を当てているところ。
脚本のふじきみつ彦さんは「夢を叫ばないヒロイン」を描きたいと語り、トキの人生を通して「認められること」より「受け入れること」の大切さを浮かび上がらせます。
異国の夫との生活、怪談話を介した心の交流、変わっていく価値観の中でトキがどう生き方を見つけるのか──朝ドラでは珍しいテーマと舞台設定が新鮮な驚きと共感を届けてくれそうです。
気になるキャスト情報をまとめて紹介
明治の松江を舞台にした『ばけばけ』には、実在の人物をモデルにしたキャラクターを中心に、多彩な俳優陣が集結しています。
ここでは、ヒロイン松野トキや外国人教師レフカダ・ヘブンをはじめ、物語を彩る登場人物とその役を演じるキャストをひとりずつ紹介。
役柄の人物像や俳優の過去作、見どころポイントも合わせてチェックしていきます。
松野トキ役(髙石あかり)
明治の松江で暮らす松野トキは『ばけばけ』の主人公。
民話や昔話が大好きで、つらいときは母・フミに怪談をねだるほどの“物語好き”。母のしじみ汁が大好物という家族思いの一面も持ちます。
没落士族の娘として生きる彼女が、外国人教師との出会いでどんなふうに世界を“化け”させるのかが見どころ。
演じるのは映画『ベイビーわるきゅーれ』などで注目の髙石あかりさんです。
レフカダ・ヘブン役(トミー・バストウ)
新聞記者として来日したものの、縁あって松江で英語教師となったレフカダ・ヘブン。
錦織友一のサポートを受けながら暮らすなかで、ひょんなことからヒロイン・トキと出会い、交流を深めていきます。
異国から来た彼がどのように価値観の壁を越えていくのかが見どころ。
演じるのは海外ドラマや舞台で活躍するトミー・バストウさんです。
錦織友一役(吉沢亮)
松江随一の秀才で「大盤石」の異名を持つ錦織友一。
松江中学で英語教師を務め、外国人教師として赴任したレフカダ・ヘブンをサポートしながら、自身も地域の若者に影響を与える存在です。
トキとも奇妙な縁で出会い、深く関わっていく重要人物。演じるのは幅広い役柄で人気の吉沢亮さんです。
松野司之介役(岡部たかし)
松野司之介はトキの父で、かつては松江藩の上級武士でしたが、明治の世となり収入を失い家族とともに貧しい暮らしに追い込まれます。
愛する家族を守ろうと不器用ながら奮闘し、娘に「かっこいい」と言われたい一心で頑張る姿が胸を打ちます。
演じるのは実力派俳優の岡部たかしさんです。
松野フミ役(池脇千鶴)
松野フミはトキの母で、出雲大社の上官の家に育ち、神々の物語や生霊・死霊など目に見えない世界の話に詳しい人物。
幼いトキに怪談や昔話を聞かせて育て、彼女の物語好きの原点となりました。
優しくしっかり者で、何より娘の幸せを願う温かな存在です。演じるのは幅広い役柄で知られる池脇千鶴さんです。
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松野勘右衛門役(小日向文世)
ばけばけ|脚本家ふじきみつ彦さん&制作陣の想いに注目
『ばけばけ』の脚本を手がけるのは、コントや小劇場、テレビドラマで独特の世界観を築いてきたふじきみつ彦さんです。
ふじきさんはシティボーイズライブや「みいつけた!」など、日常のなかに潜む不条理や小さな笑いを軽やかに描く作風で知られています。
今回の朝ドラでは「夢を大声で叫ぶヒロインではなく、取り残されがちな人々に光を当てたい」という想いから、小泉セツさんをモデルにしたヒロイン・松野トキを生み出しました。
彼女が過ごす、光でも影でもない他愛のない時間にこそ物語の本質があると考え、そこにユーモアや哀しみを交えながら丁寧に描いていく構成になっています。
制作統括の橋爪國臣さんも「時代に翻弄される人々が互いを受け入れ、尊重しながら生き抜く姿を描きたい」とコメントしており、脚本家と制作陣の方向性がしっかり一致しているのが伝わってきます。
実在の夫婦を大胆に再構成しながら、怪談や異文化交流というユニークな要素を盛り込むことで、従来の朝ドラにはない新鮮さと普遍性を兼ね備えた作品にしようという試みです。
演出や美術でも現地取材を重ね、松江や熊本の風景、ろうそくの灯りなど時代感を大切にしたセットづくりを進めているとのこと。
ふじきさんが得意とする会話劇と、橋爪さん率いる制作陣のこだわりがどのように融合し、どんな空気感を朝の15分に届けてくれるのか──脚本家と制作陣の想いを知るだけでも放送がますます楽しみになりますね。
ばけばけのタイトルに込められた意味を深掘り
『ばけばけ』というタイトルを初めて目にしたとき、「何だろう、この不思議な響きは?」と思った方も多いのではないでしょうか。
実はこの言葉には、明治の日本とヒロイン・松野トキの人生を貫くテーマがぎゅっと詰まっています。
制作陣によると、「ばけばけ」は“化ける”を繰り返した言葉。急速に近代化が進み、人々の暮らしや価値観が次々と形を変えていった明治という時代背景そのものを表しています。
同時に、うらめしい世界に閉じこもっていたトキの毎日が、異国人教師との出会いをきっかけに少しずつ“化けて”いき、やがてかけがえのないものに変わっていく過程も象徴しているのです。
さらに、怪談というモチーフとの相性も抜群。怪談には、恐怖の向こう側にある人間の弱さや哀しみが「別の姿」に化けて語り継がれてきた歴史があります。
ふじきみつ彦さんは「夢を叫ばないヒロインを描きたい」と語っていますが、タイトル自体がその想いを体現しているとも言えるでしょう。
奇抜に見えて、実は普遍的な変化の物語。私自身も、このタイトルが持つ二重の意味を知ってから一層楽しみになりました。
ドラマが進むにつれて、視聴者が感じる“化ける”瞬間がどのように描かれるのか──毎朝の放送が待ち遠しくなりますね。
ばけばけ|各週のあらすじ・感想(ネタバレあり)
『ばけばけ』第1週 |“働くなんてありえない”──武士の誇りを捨てられない父と、時代を生き抜く少女トキ
明治のはじめ、武士の誇りを手放せない父・司之介と共に、貧しさの中で生きる少女トキ。
学校では「働かない父」を理由に責められながらも、トキは武士である父を誇りに思っていた。
やがて親友の言葉に影響を受け「教師になりたい」と夢を語るが、武家の娘が働くことを許されない時代。
そんな中、親戚の傳が商売を始めたことで、司之介にも変化が訪れる。
ウサギの飼育で一時は明るさを取り戻した松野家だったが、バブルの崩壊とともに借金が残り、父は姿を消す。
トキが見つけた父を必死に説得する姿には、幼いながらも強さと優しさが宿っていた。
貧しいながらも明るく前を向くトキの姿には本当に感激したし、子役の福地美晴さんの凄まじい演技力にも圧倒された。
厳しい時代の中で“働く”という希望を見つけた彼女の笑顔が、心に残る第1週だった。
第2週あらすじ(予告)
貧乏脱出のため結婚を決意したトキ(髙石あかり)。
しかし恋占いでは自分だけ不吉な結果に落ち込み、友人たちが次々と結婚を決めていく中で焦りを募らせる。
そんなトキを見かねた父・司之介(岡部たかし)と母・フミ(池脇千鶴)はお見合い相手を探し奔走。
ついに傳(堤真一)とタエ(北川景子)の仲介でお見合いが決まるが、司之介の行動で破談に──。
新たな見合い相手・山根銀二郎(寛一郎)との出会いが、トキの運命を大きく変えていく。
👉ばけばけ第2週ネタバレ考察|実子ではない⁉家族が化けた真相は
第3週あらすじ
お見合いが成功し、トキ(髙石あかり)と銀二郎(寛一郎)の新婚生活が始まりました。
働き者の銀二郎のおかげで松野家の暮らしも安定し、トキは幸せの絶頂に。しかし、勤め先の雨清水家では長男の失踪により資金難に陥り、社長の傳(堤真一)が倒れてしまいます。
トキは恩返しのため看病に奔走し、昼は工場、夜は看病という日々を送っていきました。
やがて、トキが傳とタエ(北川景子)の実の娘だと判明。傳は「松野家の娘として生きろ」と告げ、息を引き取ります。
涙に包まれた夜、トキは初めて本当の家族の意味を知っていきました。
第4週あらすじ
傳(堤真一)の死後、工場が閉鎖されトキ(髙石あかり)は職を失ってしまいました。
借金取りに遊女を勧められる中、銀二郎(寛一郎)は彼女を守るために仕事を増やして働き詰めの日々を送っていきました。
やがて銀二郎は出奔し、トキは東京へ。
下宿先で松江出身の秀才・錦織(吉沢亮)や帝大生の根岸(北野秀気)、若宮(田中亨)と出会い、銀二郎の帰りを待ち続けていきました。
再会した二人は、松江か東京か、それぞれの道を選ぶことに悩みながらも、心の距離を少しずつ取り戻していきました。
やがて錦織の慰労会でトキはお祝いの出し物を披露し、銀二郎と初めての西洋風の朝食を囲む朝を迎えていきました。
※各週放送後に更新していきます。(毎週土曜日更新予定)
まとめ|『ばけばけ』で描かれる“化ける”日常を一緒に追いかけよう
ここまで見てきたように、NHK朝ドラ『ばけばけ』は、明治という激動の時代を背景に、没落士族の娘・松野トキと異国人教師レフカダ・ヘブンを中心に描かれるオリジナル作品です。
近代化の波に押し流されながらも、怪談好きという共通点で心を通わせ、うらめしかった世界がかけがえのないものに“化けて”いく過程は、単なるラブストーリーやヒューマンドラマを超えて、時代や文化の壁を乗り越える小さな勇気や優しさを映し出しています。
脚本のふじきみつ彦さんや制作陣は、光でも影でもない日常にこそ物語の本質があると考え、その“普通”の時間にユーモアや哀しみを交えながら丁寧に描こうとしています。
これまでの朝ドラにはなかった怪談や異文化交流といった要素が加わることで、視聴者も「化ける瞬間」に立ち会うような体験ができるかもしれません。
私自身、公式情報を追うたびにどんな展開になるのかワクワクしていますし、毎朝どんな“へんてこな暮らし”が描かれるのか楽しみでなりません。
この記事では、放送開始後に各週のあらすじ・感想・考察も随時更新していく予定ですので、初回から最終回まで一緒に『ばけばけ』の世界を追いかけ、登場人物たちの“化ける”日常に触れていきましょう。
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