『最後の鑑定人』第2話ネタバレ考察|承諾殺人⁉化学が暴いた愛の真実

資産家が銃で命を絶ち、年の離れた妻が「承諾殺人だった」と証言──。

一見すると、愛する人の望みに応えた美談のようにも思えるこの事件。

しかし、その涙の奥には、果たして真実があるのか? それとも、隠された“動機”があるのか?

2025年夏ドラマ『最後の鑑定人』第2話は、“科学では解けない人の心”という深いテーマに切り込んだ1話だった。

冷静沈着な鑑定人・土門誠(藤木直人)と、人間味あふれる研究者・高倉柊子(白石麻衣)のバディが挑むのは、ただの殺人事件ではない。

科学で事実を突き止めたとしても、それだけでは届かない“感情”が確かにそこにあった。

本記事では、第2話で描かれた「承諾殺人」の真相、義理の娘を庇った佐枝子の深層心理、そして土門と高倉のスタンスの違いから見える今後の展開を、ネタバレ込みでじっくり考察していく。

『科捜研の女』ファンが思わず反応してしまうような「榊」や「土門」といった名前も登場し、ちょっとしたオマージュも楽しめる本作。

だが、それ以上に心を揺さぶるのは、誰かを想ってついた“嘘”の重さです。

科学で暴けるのは、ほんの一部の真実にすぎない。

本当の“真相”は、心の奥底にあるのかもしれない。

承諾殺人のはずが単なる殺人に?佐枝子の涙に潜む疑惑

資産家・戸部庸三(中村シュン)が自宅で銃によって命を落とすという衝撃的な事件が起きた。

現場にいたのは、彼の若い妻・佐枝子(恒松祐里)。

彼女は「夫から頼まれた承諾殺人だった」と、泣きながら証言する。

長年病に苦しみ、自ら命を絶つことを望んでいたという夫のために、最後の願いを叶えた――そう主張する佐枝子の言葉には、深い愛と覚悟がにじんでいるようにも見えました。

しかし、捜査が進むにつれて「本当にそれだけか?」という疑念が浮かび上がる。

戸部は莫大な遺産を持つ資産家であり、佐枝子は年の離れた後妻。

そんな背景もあって、承諾殺人という美談に包まれた表面の裏に、“財産目当ての殺意”が隠されているのではないかという声も上がっていた。

事件の真相に迫るのは、民間鑑定人の土門誠(藤木直人)と、事務員兼研究員の高倉柊子(白石麻衣)。

冷静な視点で証拠を分析する彼らの目に、佐枝子の涙は「嘘を覆い隠すための演技」にも映る。

承諾殺人が真実ならば、どこかにその痕跡があるはず。

しかし、現場の状況や証言には、つじつまの合わない点が次々と出てくる。

一方で、佐枝子の言葉には揺るぎない愛情も感じられ、彼女を完全に疑いきれない空気が物語全体に漂う。

果たして、彼女は加害者なのか、それとも犠牲者なのか?

涙の奥に潜む“もうひとつの動機”が、やがて事件の核心に迫る手がかりとなっていく――。

科学で嘘は暴けるか?土門と榊の再会が導く突破口

佐枝子の「承諾殺人」という証言には疑念が残るものの、それを立証するのは容易ではない。

そんな中、鑑定人・土門は、かつての同僚・榊(須田邦裕)の協力を得る。

現在は警察側の鑑定官である榊の登場により、事件は新たな展開を見せる。

鑑定により、現場には2発の銃弾があったことが判明。

それぞれ別の銃から、異なる方向から発射されていた。

1発は柱に外れ、もう1発が戸部に致命傷を与えていたのです。

これは2人の発砲者がいた可能性を示す重要な手がかりでした。

また、土門が求められていたのは「殺意がなかったことの証明」

通常であれば極めて困難だが、外れた弾に“躊躇”の証があると気づいたとき、事件の真相が輪郭を現す。科学的根拠が感情を裏づける瞬間…。

さらに、榊の存在は物語に深みを与えていた。

実務的でありながらも、土門の信頼に応えようとする姿勢は、2人の過去の絆を感じさせる。

科学は孤独な作業と思われがちだが、そこには人間同士の協力も不可欠だということを改めて実感させられる。

そして視聴者の中には、「榊」や「土門」という名前に既視感を覚えた人もいるだろう。

『科捜研の女』の登場人物と同じ名字であることから、本作ならではのオマージュとして話題を呼びそうですね。

科学の力は嘘を暴ける。だが、それで心の奥にある真実まで届くのでしょうか。

犯人は義理の娘だった?佐枝子が隠した“母としての想い”

事件の核心にあったのは、血では繋がらない家族の関係でした。

佐枝子は当初、「承諾殺人」だったと語っていたが、鑑定の結果、実際に戸部庸三を撃ち抜いたのは義理の娘(菅野莉央)であることが明らかになる。

佐枝子の銃弾は柱に外れており、致命傷を与えた弾は義理の娘のものだった…。

つまり、佐枝子は自ら罪をかぶろうとしていたのです。

その背景には、“家族への憧れ”があった。

年の離れた夫と義理の娘という関係のなかで、彼女は「自分に娘ができた」「家族ができた」という切実な幸せをかみしめていた。

過去には娘が冗談めかして「お母さん」と呼んだことがあり、その一言が彼女には何より嬉しかった。

だからこそ、法を犯すことになっても、娘を守ることが“母としての務め”だと信じた。

佐枝子にとって、義娘は大切な“家族”だったのです。

一方で、娘の反応は冷淡にも見えた。「頼んでいない」「私はNPOの仕事で人の役に立っている」と語り、佐枝子の行動に理解を示す様子はなかった。

ただ、本心ではどう思っていたのかは明かされなかった。

“母でありたかった女”と、“本当に母と認めていたのか定かではない娘”。

その微妙な距離感が、この事件に切なさを添えていた。

この切実な思いが娘に伝わってたら良かったのに…

科学では届かない心の謎|土門と高倉の対照的なスタンス

科学が嘘を暴くことはできても、人の心の奥底までを解明するのはそう簡単ではない。

科学は嘘をつかない――そう信じて徹底的に証拠を追う土門と、人の仕草や表情、言葉の“違和感”から嘘を見抜こうとする高倉柊子。

このふたりのスタンスの違いこそが、本作の大きな魅力だ。

土門は証拠と事実の裏付けにこだわり、感情を排除する姿勢を貫いている。

佐枝子の涙にも、表面的な演技以上の意味を見出そうとはせず、あくまで科学的事実の積み重ねで真相を導こうとする。

そんな彼にとって、嘘を見抜く手段は「人を信じること」ではなく「データの中にある」。

一方の高倉は、人を見ることで嘘を見抜こうとする研究員だ。

彼女は佐枝子の涙をただの演技とは捉えず、その奥に潜む感情に目を向ける。

科学だけでは届かない部分を、高倉が人の目線で補完する。

まさにこの“ふたりの視点のバランス”があってこそ、事件は解決へと導かれる。

また、榊への協力に尽力していた尾藤(松雪泰子)に、土門が素直に礼を言えない場面も印象的だった。

人間関係には不器用で子供みたいな土門ですが、「科学は嘘をつかない」と信念を貫いている。だからこそ高倉のような人間的な視点が加わることで、物語はより立体的になる。

土門と高倉、まったく異なるスタンスのふたりがバディであるからこそ、このドラマの真の魅力が引き立つのかもしれません。

第2話の考察と今後への注目|科学と心の融合なるか?

第2話では、科学によって事件の構造が解き明かされる一方で、“人の心”という数値では測れない領域が大きなテーマとして浮き彫りになった。

佐枝子の証言が変化したのも、嘘ではなく、誰かを守りたいという気持ちが先に立った結果だったのかもしれない。

たとえ不器用でも、守りたかった相手がいた。それが佐枝子の“本当の動機”だったのではないでしょうか。

2つの弾丸や発射方向の鑑定によって事件は解決したが、そこに至るには土門の科学的分析と、高倉の観察眼がうまくかみ合った結果だった。

科学と人の心の融合が、物語の柱になっていく予感がある。

また、民間の鑑定人である土門が司法の場にまで介入している点も特徴的だ。

第2話では公判前整理にも関わっていたが、今後この立場がどう描かれるのかも見逃せない。

法と制度、そして倫理の境界線にどう踏み込んでいくのか、ドラマとしての骨太さにも注目したい。

義理の娘をかばった佐枝子の行動に対し、視聴者の感じ方はさまざまだと思います。

母性とは何か、血の繋がりのない家族とは――そんな問いが静かに残る回でもあった。

科学では届かない真実がある。

でも、科学と心の両面から向き合えば、きっと“本当の答え”にたどり着ける。第3話以降も、ふたりの成長に注目していきたいですね。

 

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