良いこと悪いこと—— その境界はどこにあるのでしょうか。
誰かの正義が、別の誰かにとっては悪になる。第2話では、そのテーマがより深く突き刺さりました。人は誰しも“自分の正しさ”を信じて行動するけれど、その裏には必ず“影”がある。
善意が暴力へと変わる瞬間を、このドラマは静かに映し出していました。
善と悪が交錯する中で浮かび上がるのは、誰もが抱える罪の意識。
そして、正しいことをしているはずなのに、どこか歪んでいく心の在り方。
この記事では、第2話で見えてきた“犠牲者の法則”と“黒幕の影”について考察していきます。
良いこと悪いこと2話あらすじ(ネタバレ注意)
猿橋園子(新木優子)が転校してきた当初、クラスメートの中島笑美(松井玲奈)とは仲の良い友人関係だった。
だが、同じマスコットをきっかけにすれ違いが生じる。
園子が「おそろい」と喜ぶ一方で、笑美は「これは私のキャラなの」と拒絶。
さらに園子のマスコットが紛失し、笑美を疑ったことで関係は決裂した。
机の中から見つかったのは笑美のものだったが、彼女は逆に園子を責め、そこからいじめが始まったのだった。
現在、22年前に園子をいじめていた同級生たちが次々と不審な死を遂げていく。
武田は「空を飛ぶ」絵の通り転落死、桜井は「消防士」の夢を描いたまま火災に巻き込まれ重体。
警察はどちらも“事故”と断定するが、刑事たちは不可解さを感じていた。
園子と高木(間宮祥太朗)は、夢と現実を結ぶ法則を探る中で、六本木で働く笑美に再会する。
彼女は笑顔で「ごめん」と謝るも、過去は消えない。
再び降り出した雨の中、笑美は黄色い傘をさして歩き出す——その背後に黒い影が迫り、次の悲劇が静かに始まるのだった。
良いこと悪いこと考察|犠牲者たちに共通する“夢の法則”
第2話で見えてきたのは、犠牲者たちに“ある共通点”があるということ。
それは、22年前に描いた「将来の夢」と、現実の姿との“ズレ”です。
武田は「空を飛ぶ」夢を描きながら薬剤師に、桜井は「消防士」を描きながら居酒屋を経営、笑美は「アイドル」を描いたが、現実は夜の街で働いていた。
つまり“夢を叶えられなかった者”が次々と狙われている。
まるで「夢を裏切った罰」を受けているかのようです。
ここで浮かぶのは、黒幕の視点。
単なる復讐ではなく「夢を果たせなかった弱さ」を裁いているようにも見える。
正義感ではなく、歪んだ価値観のもとで「夢を叶えたか否か」で線を引く存在です。
そしてもう一つ興味深いのは、高木が描いた“ヒーローの絵”。
彼だけは夢と現実が一致しており、むしろ“守る側”の立場にある。
これは黒幕が「夢を果たした者」と「果たせなかった者」を分け、裁きを下しているという構図を示唆しているのかもしれません。
夢を信じる心が“罰”へと変わる──この歪んだ正義こそ、第2話の核心にあるテーマと言えそうです。
良いこと悪いこと考察|黒幕の3つの仮説
現段階では真相は闇の中。
けれど、いくつかの“違和感”が断片的に見えはじめています。
犠牲者が描いた絵の通りに事件が起きている――これは偶然なのか、それとも誰かの手によって仕組まれたものなのか。
果たして黒幕はいったい誰なのか?
その違和感から3つの仮説を立ててみました。あなたはどう読み解きますか?
仮説その1:クラスメート説|過去の因縁が動き出す
第2話の時点で、黒幕がクラスメートの中にいる可能性はいまだ非常に高い。
連続する犠牲者はいずれも、かつて同じ教室で時間を共有していた6人のグループに属している。
つまり、事件の根は22年前の「クラスの序列」や「人間関係の歪み」にあると考えられます。
いじめを見過ごした者、主導した者、そして何もできなかった者――その誰かが、今になって過去を清算しようとしているのかもしれません。
同窓会という再会の場は、単なる懐かしさではなく、再び“罪”を呼び起こすきっかけだった。
笑顔の裏に隠された後悔や恨みが、再び動き出したようにも見えます。
第2話までの描写では、誰が加害者で誰が被害者なのか、その境界さえ曖昧。
人の心の中に潜む“正義と復讐の二面性”が、もっとも濃く描かれているのがこのクラスメート説なのです。
仮説その2:黒塗り6人説|アルバムに隠された闇
卒業アルバムに黒く塗りつぶされた6人――なぜその6人が選ばれたのか。第2話の時点でも真相は不明ですが、22年前に現在の事件へとつながる“何か”が起きていたことは確かです。
黒く塗った人物には単なるいたずらではない“意図”があり、その6人の中に黒幕がいる可能性も依然高い。
もし自分が疑われないよう、あえて“被害者のふり”をしているとしたら、それは最も巧妙な方法です。
その中で特に気になるのが小山隆弘(森本慎太郎)。
海外から帰国したばかりで、意識不明の桜井幹太(工藤阿須加)の病室を訪れた場面には少なからず違和感が残ります。
単なる見舞いなのか、それとも別の目的があったのか――。
彼の替え歌が犠牲者の順を示していたとすれば、偶然とは言い切れません。
6人の絆と罪、そのどちらが真実なのか。物語の鍵は、まだこの中に潜んでいるように思えます。
仮説その3:新たな人物説|“影”のように動く存在
1話の時点では、校長の大谷典代(赤間麻里子)や猿橋園子(新木優子)の行動から読み取り、黒幕説を語りましたが、2話を見たところこの二人は可能性が低いとみていいのかなと思えました。
園子は過去と向き合いながらも真実を追う立場にあり、事件を操る側という印象は薄い。
校長に関しても、意味深な表情を見せつつも、いまの段階では関与しているようには見えません。
そうなると2話で気になるのが、物語の外側で“静かに動く誰か”の存在です。
イマクニで登場した宇都見啓(木村昴)の言葉「シのない公務員」が象徴するように、事件の裏には公的な力を持つ人物が潜んでいる可能性があります。
「シのない公務員」→警察?とも考えました。
転落や火災がすべて“事故”として処理されたことを考えると、情報を操作できる立場の人間が関与しているのかもしれません。
まだ姿を見せていない“第三の視線”——それが、物語の裏で糸を引く真の存在のように思えてなりません。
良いこと悪いこと考察|連鎖の終着点は高木将?正義の象徴が疑われる時
替え歌“森のくまさん”を軸に考えると、犠牲者たちはまるで“罪のバトン”を受け渡しているように見えます。
貧ちゃん(武田)→桜井→笑美→ターボーへと連鎖が進み、残るは高木将(間宮祥太朗)。
彼が描いたのは“ヒーロー”の絵。
正義の象徴でありながら、もしこの連鎖が続くなら次に狙われる、あるいは疑われる側に回る可能性もあります。
なぜなら、復讐の構図が“内部で完結しない”気配を見せているからです。
ターボーが笑美を突き飛ばしたとすれば、その背後でさらに糸を引く者――外部の人間、もしくは6人以外のクラスメートの誰かが存在する。
事件を操る“黒幕”は、復讐を循環させる仕組みそのものを作り出しているのかもしれません。
もしそうなら、高木が“最後の裁き”を受ける構図は、善と悪の境界が完全に反転する瞬間。
正義の人間が罪人に変わる――このドラマの根底にあるテーマが、まさにそこへ集約されていくように思えます。
まとめ|罪の連鎖が描く“善と悪の反転”
第2話では、“夢の絵”と“替え歌”という二つの要素が、物語全体を繋ぐ鍵として浮かび上がりました。
犠牲者たちはそれぞれ過去の夢を叶えられず、そして替え歌の順に命を落としていく。
まるで、22年前の出来事が“形を変えて再生している”かのようです。
事件は単なる復讐ではなく、罪のリレーのように循環している。
その連鎖の先に残されたのが、高木将(間宮祥太朗)。
彼はヒーローという“正義の象徴”でありながら、次のターゲットにも、あるいは“疑われる側”にもなり得る存在です。
もし黒幕が6人以外のクラスメート、あるいは外部の人物であるなら、事件はまだ序章にすぎません。善意が悪意へ、正義が罪へとすり替わる瞬間――。
このドラマが突きつけるのは、誰もが“良いこと”と“悪いこと”の狭間に立たされる現実なのかもしれません。
次回、第3話ではついに“罪の継承者”が明らかになるのか。物語はいよいよ核心へと踏み込んでいきそうです。
1話をもう一度おさらいしたい方はこちらからどうぞ。
物語の始まりに隠された“違和感”や“伏線”を振り返ることで、2話以降の展開がより深く見えてくるかも。
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